ステロイドは万能薬ですが、使いすぎは危険!
ステロイドを長期間使用すると、恐ろしい副作用が待っています。
顔中にできるたくさんのニキビ、赤みや肌の乾燥から生じる強いかゆみ、が急に訪れます。
そのステロイドの恐ろしさを、私は経験しました。
今回の記事ではステロイドを長期間使用するこで、どんな副作用が起こるのかを実体験をもとに詳しく紹介したいと思います。
そして、長期間ステロイドを使いすぎないための対策なども、一緒に紹介していきます。(記事作成:2024.2.21)
ステロイド軟膏を使うキッカケ
私がステロイド軟膏を使うようになったのは、白血病の治療で『さい帯血移植(骨髄移植のようなもの)』を行ってからです。
自分の血液を無くす治療を受けた後、人からもらった血液の元となる細胞を体に移植。
私の体には、他の人の血液だけになり、血液型も変わりました。
そして、私の体と血液が一致しないことで、免疫が体を攻撃する症状が起きるようになりました。
このことをGVHDというのですが、この症状は内臓・皮膚などの様々な部分に炎症を起こします。
私は幸いなことに、内臓には危険なGVHDは起きなかっため、移植後は順調に回復しました。
しかし、皮膚の炎症は時間の経過とともに減少はしてきましたが、完全には収まっておらず、移植から3年半経過した今もステロイド軟膏の使用を続けています。
ステロイド軟膏の副作用はどんな症状?
私はステロイド軟膏を気がついたら過剰に使いっていました。
少しの炎症やかゆみで常に使っていたため、毎日使うことが当たり前に。
今考えると、ステロイド軟膏を乱用していたと思います。
白血病になる前から、私は皮膚が弱かったため、季節の変わり目などには原因不明のかゆみが起きていました。
しかし、その頃はステロイド軟膏は使用していませんでした。
それなのに、移植後3年経過して、皮膚はほぼ正常な状態に戻ったのにも関わらず、少しのかゆみで、ステロイド軟膏を使うようになっていました。
当たり前になり、感覚がマヒしていたのです。
私がステロイド軟膏を使いだしたのは、2020年8月にさい帯血移植を行ってからです。
移植してすぐに、全身に皮膚の炎症が起きて、顔が大きく膨れ上がり、体中が真っ赤になりました。
そこから少しづつ、炎症は治まって…
今では体の一部がたまに、赤くなり弱いかゆみが生じる程度まで回復しました。
それでも、私は毎日ステロイド軟膏を使用。
特に、顔には保湿剤のように使うことが当たり前に。
顔の症状はとても軽度だったのですが、人に見られる部分なので、なるべくキレイな状態を保ちたい思いから、過剰に使用していました。
目の周り・まつ毛生え際のかゆみ
目の周辺、まつ毛生え際の腫れイメージ
ステロイド軟膏を長期間使用していて、目の周り・まつ毛の生え際にかゆみと赤みからくる痛みがありました。
私はかゆみの原因を、移植後のGVHD(自分の免疫が攻撃)の症状だと思い、ステロイド軟膏を目の周りに塗っていました。
顔には、弱いステロイドを塗るように医師から言われていたので、ロコイドを使用していましたが、それでも良くならなかったため、強めのステロイドのアンテベートを使うようになってしまいました。
アンテベートを目の周りに塗っても長期間、目の周りやまつ毛の周辺のかゆみは治まらず、困っていたところ…
あるときテレビを観ていたら「まつ毛ダニ」のことを取り上げていたのですが、それをきっかけで、調べてみるとかゆみの原因は、ステロイドかもしれないと気づいたのです。
ステロイドを塗ることで、皮膚が薄くなったり、免疫が弱くなることで、感染症のような症状を起こし、さらに、ステロイドに含まれる油分により、目の周りが不衛生な状態が炎症を招いたようです。
私は目の周りが痛かったため、顔を洗う際は手早く済ませていました。
そのため、べたつきが取れておらず、感染源にエサを与える状態に。
ステロイドを止めて、目の周辺をしっかり洗浄することを数日行うと、1~2年ほど続いた目の周辺の炎症はすぐに収まったのです。
原因はまつ毛ダニなのか感染症なのかは、検査したわけではないので分かりませんが、目の周辺のかゆみの原因がステロイド軟膏だったことは間違いありません。
※「ステロイド軟膏強さ一覧表」を下に掲載しています。
ニキビ性皮膚炎
実際の写真
ステロイド軟膏を目の周りに塗ることを止めて、目の周辺の炎症は治まったのですが、その後すぐ両方の頬に、ニキビのようなものができました。
頬に出現したニキビは、炎症が強く痛みがあり、その部分は熱も持っていました。
日が経つごとに頬が赤黒くなり、病院に行くことに。
私は移植を経験しているため、かかりつけの病院に行き、院内の皮膚科を紹介してもらいました。
そこで、「細菌感染によるニキビ性皮膚炎」との診断を受け、ニキビ性皮膚炎を抑えるための抗生物質の軟膏を処方してもらいました。
しかし、皮膚炎がどんどん悪化!
ステロイドを長い間使用していたため、皮膚が弱くなっていることで顔中真っ赤。
ステロイドを長く使用すると、皮膚が薄くなったり、皮膚の免疫も低下することは、入院中に何度も聞いていたのに、私は乱用していたのです。
担当医師には、「顔の皮膚は薄いので、ステロイド軟膏は弱いタイプ(ロコイド)を使用するように」と言われていたのに、効き目の強い軟膏(アンテベートを常用し、たまにデルモベート)を使用していました。
ステロイドを長期間、必要以上に使用していたために、私の肌はとても脆くなっていたのです。
死ぬほど、顔中が痒い状態が数日続きました。
症状が治まらなかったため、病院に行くと「軟膏に対するアレルギーがある」ことが分かり、別の軟膏を処方してもらいました。
皮膚の炎症が顔中に広がり、酷い状態だったため、飲み薬も処方されました。
抗アレルギー薬・抗生物質です。
薬を飲んで数時間で、皮膚の炎症が収まってきましたが…
ステロイドを長期間使ったことで起きる副作用は、そう簡単に収まりませんでした。
※「ステロイド軟膏強さ一覧表」を下に掲載しています。
ステロイド軟膏強さ一覧表
出典:第一三共ヘルスケア
私の手元には、デルモベート・アンテベート・ロコイドがあります。
顔には、ロコイドを使用するように言われていましたが、アンテベートを使用。
たまにデルモベートも使っていました。
上の表から分かるように、アンテベート・ロコイドはステロイド軟膏の中では強い薬。
ステロイド軟膏を使っている場合は、薬の強さを理解して適切に使わなければいけないと思います。
ステロイド副作用「赤み・かゆみ」
私がステロイドの乱用で起きた皮膚炎の写真をお見せします。
皮膚が腫れにより、少し膨れ上がり熱を持っていて、かゆみと痛みがありました。
私のようなことが起きないように、ステロイド軟膏を使っている方は、使用方法を今一度確認してください。
みなさんは医師に、説明された通りに使えているでしょうか?
間違った使い方を防ぐために、改めて『ステロイド軟膏の正しい使い方』を主治医に確認してください。
2024年2月14日
5日ほど前から頬に、赤みの強いニキビが出現。
皮膚科を受診し、抗生物質の軟膏(ケトコナゾール)を処方してもらいました。
2024年2月15日
赤みがさらに強くなり、痛みも強い。
この時は気づいていなかったのですが、ケトコナゾール軟膏にアレルギーを起こしていました。
2024年2月17日~19日
顔中に赤みが広がり、輪郭も変わるほどの腫れ。
頭がおかしくなるほどのかゆみで、睡眠不足になり、精神も不安定になってきていました。
2024年2月20日
皮膚科を再度受診し、前回処方された抗生物質の軟膏(ケトコナゾール)に対するアレルギーとの診断。
新しく軟膏(リンデロンVGクリーム)と、抗生物質と抗アレルギーの飲み薬を処方されました。
帰宅して、飲み薬だけ飲むと、数時間後には回復の兆しが!
赤みが弱くなり、ブツブツが乾燥してガサガサになったが、明らかにかゆみがなくなりました。
ある程度回復したが治らない
抗生物質を飲んでからは、一気に回復したように感じましたが、その後が思うように肌の改善ができませんでした。
ステロイド副作用いつまで続くのか?
私のステロイド性ニキビの症状は、1か月経過しても良くなりませんでした。
医師には「弱いステロイドを使って治すしかない」と言われていたにも関わらず、私は途中で、また強いステロイド軟膏を使ったのです。
使用した理由は、顔中のニキビの悪化でかゆみやヒリヒリが、また増えたからです。
強いステロイド(リンデロンVG)から、弱いステロイド(ロコイド)に変更すると、ニキビ・赤み・かゆみが増しました。
それに耐えられなくなり、強いステロイド(アンテベート)を使ってしまったのです。
強いステロイドを使うと、一時的には少し良くなりましたが、完全に治るわけでもなく、同じような状態が続きました。
もう一度、弱いステロイドにすると、また顔のニキビやかゆみ、ヒリヒリが強くなります。
全く症状が改善されなかったため、私はまた病院に行くことにしました。
すると「絶対に、強いステロイドは塗ってはいけない。何で塗ったの?」と強い口調で先生に言われました。
さらに、先生はこう続けます。
「ステロイドを使うとニキビができるので、使い続ければ治らない。炎症にはステロイドが効果的だけどニキビができる。なるべくステロイドを塗らないようにして、かゆみや痛みがある部分だけ弱いステロイド(ロコイド)を使うこと」と。
私はステロイド性ニキビの治療用軟膏に対し、アレルギーがあったため、それが使えません。
だから、治療には時間がかかるとのことでした。
ステロイド性のニキビは、人によってどれくらいで治るかは全く違うようで、目安は2~4週間。
ステロイドの使用期間が長い人、体質によってはさらに長い治療期間になるようです。
私は今も、ステロイド性のニキビの治療を続けています。
なるべく、ステロイドを塗らないことを意識して、どうしてもかゆい部分に弱いステロイド(ロコイド)を塗っています。
少しづつは改善しているようにも思えますが、少し良くなっても、またぶり返したりを繰り返しています。
恐らく、そうやって改善していくのかもしれませんが、長い治療になりそうです。
ステロイド軟膏の離脱症状
ステロイド性ニキビは、ステロイド外用剤の使用によって引き起こされるニキビの一種です。
ステロイドは皮膚の炎症やかゆみを抑えるために使用されますが、ニキビの増加を引き起こすことがあります。
さらに、皮膚の油分を増やし、毛穴を詰まらせることでニキビを発生させる可能性があります。
また、ステロイド外用剤の使用を中止すると、一時的にニキビが増加することもあります。
ステロイド性ニキビを予防するためには、以下のポイントに注意することが重要です。
そして、専門医に相談することもおすすめします。
使用量 | ステロイド外用薬の使用は、医師の指示に従い、適切な量を使用する必要がある。 過剰な使用はニキビの原因となる可能性がある。 |
使用期 | 長期間にわたって使用すると、皮膚のトラブルが起こる可能性がある。 医師の指示に従い、適切な期間で使用を終了する必要がある。 |
洗顔と保湿 | ニキビの予防には、適切な洗顔と保湿が重要。洗顔は過度に行わず、刺激の少ない洗顔料を使用する。 また、保湿剤を使用して皮膚を適切に保湿することも大切。 |
医師の指示 | ステロイド外用剤の使用に関しては、必ず医師の指示に従う。 自己判断や他の人のアドバイスによる使用は避けるべき。 |
参考 大田区大森の大木皮膚科 鬼沢ファミリークリニック アレルギーi