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骨髄移植をして変わってしまったこと【白血病】

私(前田瑞穂)は、2020年4月に白血病と診断され、その年の8月にさい帯血移植※1 さいけついしょく(骨髄移植のようなもの)をしました。

私が白血病になったことを知らない人は、元気そうな人だと感じると思いますが、見た目も体の中身も大きく変わってしまいました。

白血病闘病日記 ➡こちら

※1 さい帯血移植

手の震え

免疫抑制剤の副作用と聞いています。

スマホでボタンを押そうとしたらフルフルするようになり、自分で制御できない歯がゆさがあります。

しかし、3年経ってみると手の震えはいつの間にか消えていました。

恐らく、退院から2年ほどは手の震えがあったのではないかと思います。

抜け毛・薄毛・生え方

移植して大きく変わったことは、髪の毛です。

治療中は、抗がん剤や放射線治療で髪が抜けてしまうのですが、また元通りの髪に戻ると思っていました。

看護師さんからは、「生えてくる毛はパーマだよ」とは聞いていたのですが、元々天然パーマなので影響は少ないと思っていたら…

確かに、生えてきた髪はクルンクルンのパーマです。

イメージ的には赤ちゃんのパーマみたいな感じ。

赤ちゃんの中には、パーマがかかっている子がたまに居ますよね。

そんな感じです。

あれは赤ちゃんだから可愛いけど、クルクルの髪はあまり見た目が良いとは言えないですね。

あまりに強めのパーマだったので、移植後一回だけストレートパーマをかけました。

脱毛から伸びた髪(退院から5カ月の頃)

しかし、その後は髪の成長が悪く、カラーもパーマもできない状態になりました。

毛が細く毛量も少ないので、髪や頭皮にダメージをかけれません。

私が歩けば、床に髪が必ず数本落ちています。

掃除しても掃除しても、髪が落ちている状態です。

それからもう1つ、髪の生え方も変わりました。

1度全ての髪が無くなったからだと思いますが、以前は髪が立ち上がるように生えていましたが、今は髪がペターッとなるんです。

毛が細くなって、生え方の影響で髪の立ち上がりが全くなくなってしまいました。

以前は髪が膨らみすぎるので、抑えるようにドライヤーをかけていましたが、今は頑張って立ち上げようとしてます。

髪の膨らみを抑えるより、立ち上げる方が難しいことに気づかされました。

「フルウィッグ」もあるし、一番気になる頭頂部の薄毛をカバーできる「部分ウィッグ」も持っています。

部分ウィッグは、1万円ちょっとで高機能なものがあったので、今の時代に生まれて良かったと思いますね。

まつ毛の減少

目の周りに炎症を起こすことが多いのも原因かもしれません。

特にまつ毛の生え際が痒くなるので、ステロイド軟膏を塗っています。

目の中も痒いのでステロイド目薬も使っています。

何度か白目の部分から出血して、目が真っ赤になったことも。

目から出血すると、眼圧が高くなる?ような感じがして、鏡で見ると大量出血していてしばらくすると眼圧が低下?します。

食べのもの好みが変化

私は元々甘いものが大好きでしたが、今は苦手になってしまいました。

甘さの基準は人によって違いがあるかもしれませんが、私もある程度の甘さなら美味しいと感じます。

アンパンは苦手でも、メロンパン程度の甘さなら美味しいと感じます。

パンを買うなら以前は菓子パンしか買いませんでしたが、今は総菜パンも食べるようになりました。

お菓子は甘いものばかり食べていましたが、今はポテトチップなどの塩気のあるものの方がよく食べます。

他人の血液と全て入れ替わってしまっているので、好みまで変わってしまったのかもしれません。

アレルギーが増えた

以前は、食べ物のアレルギーは一つもありませんでした。

今はアレルギーの可能性があるものが5つもあります。

アレルギー症状が出たのは退院して半年ほど経ってからです。

移植をすると血液が体を攻撃するため、免疫抑制剤やステロイドを服用します。

そのせいなのか、退院して半年ほどは食物アレルギーの症状はありませんでした。

そして、薬が多かった時の方がアレルギー症状は弱かったのですが、薬が減ると症状が段々重くなっていきました。

特にバナナは、命の危険を感じたほど重い症状がでます。

発疹が出て、息も苦しくなります。

実は、退院してすぐの頃はバナナは食べれていたんです。

ある時から、バナナを食べると咳が出るようになりました。

そして、薬が減ってから口に入れと舌がピリピリするようになり、そのまま飲み込んでしまうと、腹痛と悪寒が出ます。

生卵を食べても具合が悪くなります。

ただし、しっかり火が通っていれば問題なく食べれるので、たまに火の通りが弱い時に腹痛を起こしてしまいます。

牛乳・ナッツ・チーズは何度か不快感があったため、アレルギーの可能性があります。

今まで無かったアレルギーが増えて、食事の際は注意しなければいけません。

忘れて食べてしまうこともあるからです。

全身の痒み

血液の元が体に定着してすぐの頃(2020.8)

移植してからは、全身の痒みに悩まされるようになりました。

体調を崩した後は免疫が活性化してしまっているせいか、治まってきていた体の痒みがぶり返すようになるのです。

3年経った今は、痒みが気になるところだけステロイド軟膏を塗っています。

最近は耳の中、目のかゆみに困っています。

他の部分の痒みは、ステロイドの強い薬を塗ったら、数日で炎症は引くのですが目と耳だけは1年ほど前からずーっと痒みが続いています。

だから、目やにもだくさん出ます。

耳かきは退院してからは一度もしていません。

ただし、耳にはステロイド軟膏を綿棒で塗っているので、掃除してるともいえるのかもしれません。

肌の乾燥

肌の乾燥もひどくなりましたね。

だから、検査などで服をまくったりするのが恥ずかしいですね。

黒いズボンだと白い粉がたくさん付いているので、不衛生に見えると思います。

この症状も、退院して1年の時よりは軽くなりました。

最初は頭も体も大きな皮膚の皮がたくさん剥がれていて、自分でも汚いと思うくらい体からゴミが出ていたんです。

髪をさわたると、永遠にフケが出ていました。

今は髪を触っただけではフケは出ませんが、髪の毛が抜けます。

肌の乾燥がひどいのでお風呂上りは、体中にクリームを塗るのですが、お風呂に入るよりも保湿の方が時間がかかっています。

心臓がバクバク

心臓がバクバクするようになりました。

病院で心臓を見てもらったけど、異常はないと言われたので原因は分からないままです。

胸のあたりを触ると、バクバク振動音が聞こえてくるくらい激しくなります。

アキレス腱・膝・肘の痛み

立ち上がった瞬間に、痛みが強く、つっぱたようになるため、立ってすぐに歩くことができなくなりました。

アキレス腱が伸びないので、足が棒のようになり、無理して歩こうとすると転倒の危険があるほどです。

今では、膝や肘の痛みも少しあります。

新し血液細胞が攻撃しているのかもしれないと思い、足の検査をしましたが腫れてもおらず、検査でも何も見つかりませんでした。

原因が分からないので対処のしようがありません。

今は動き出しは注意して歩くようにしています。

トイレが近い・喉の乾き

放射線治療の影響だと思いますが、唾液の分泌が減り喉の乾きを以前よりも感じるようになりました。

そのため、水分をよく摂取します。

水分を取るからなのか、トイレがとても近くなりました。

ただ、水分だけではないような気もしています。

明らかに前よりもトイレが近い感じがしています。

以前は無かったのですが、「ちょっとトイレにいきたいな」と思ったら、急に漏れそうなくらい我慢できなくなるのです。

すぐに体調を崩す

私が白血病の治療をしていた頃はコロナ渦だったため、退院して1年ほど経過してマスクが解禁されました。

私はすぐにマスクを外したのですが、それから外出の度に具合が悪くなっていました。

最初はマスクを外したことが原因だと気づかなかったので、退院2年目の頃はほとんど寝て過ごす日が続いていました。

体調が良くなって、外出したら必ず具合が悪くなるという日をくり返していたのです。

ある時、「退院してすぐの方が体調が良かったこと」に疑問に感じ、何が原因かを考えてみたらマスクをしていなかったからでした。

だから、外出の度に体調を崩していたのだと数カ月前に気づきました。

今はマスクして外出するので、体調を崩すことはなくなりました。

普通の人が何気なく、すごしていても私はマスクを外すと誰かが持っている、ウイルスに必ず感染してしまうようです。

心の問題

移植後に体が大きく変わっていますが、私は悲観的には考えていません。

生活していれば自然と体にも慣れてくるし、不都合なことが起きても、どうやったら生活しやすくなるのかを考える力が人間にはあると思うんです。

「体の問題」は、「生活の工夫」に似ているのかもしれません。

最近、私は引っ越しをしたのですが、引っ越ししてすぐは家の中の作りが違うので慣れることに少し苦労しました。

どこに何を収納したらいいのかが分からなかったり、掃除の順番や1日のルーティーンがまるっきり変わり、部屋の中がゴチャゴチャとしていました。

しかし、何日かぎこちない日々を過ごしているうちに、今の家での生活に慣れてきて、「やっぱり引っ越しして良かった」と感じるようになります。

移植をして変わったことはあるけど、ガンになった人、病気の人、お年寄り気持ちなども人より分かってきたのではないかとも感じています。

不便なことは工夫次第で気にならなくなるし、人の気持ちもわかるようになってきた気もするし、もっと良いことは人に気を使ってもらえたり、優しくしてもらえることです。

だからもし、自分が移植をするという人、家族が移植をする場合でも、悲しむことはないと思います。

病気を申告されてすぐは気持ちの整理がつきにくいかもしれませんが、私は移植をして後悔はしていませんし、移植して生きれることの感謝の気持ちがあります。

私の場合はさい帯血移植だったので、さい帯を提供してくださったお母さんたちと病院に感謝しています。

また、骨髄移植のドナーになってくれている方にもとても感謝しています。

血液疾患などの病気の人を救ってくれる素晴らしい方々だと思います。

これからもドナーの方が増えてくれることを願っています。

また、移植する際には、輸血もたくさん行っています。

ドナー登録とともに、献血の協力もお願いしたいと思います。